暮らしの手帖 2015年4-5月号に

「デンタルケア100のコツ」という特集があり「足立優」先生が
監修しています。

100の項目、お目にかかったことがないのですが
おそらく真摯で優しい足立先生のお人柄と
暮らしの手帖の編集とが相まって
なるほど上手にまとまっています。

そのなかで特に気になったひとつを取り上げます。

最初に引用します。

43番
治療方法には「治療中心型」と「予防管理中心型」の大きく
二つの方法があります。それぞれ対応する内容と期間と
費用が異なります。治療ではお口の中の状態だけでは無く
時間と費用も大きな問題です。無理なく治療が続けていける
方法を歯科医と相談して、再療法の治療方法を探りましょう。

44番
「治療中心型」は問題が起こった箇所や気になった箇所を
中心の取り組みます。長所は短期間、低コストで問題を解決
できるところです。半面、問題の原因が取り除けていなかったり
表面下していない問題を先送りにしてしまう可能性があるので、
再発のリスクがあります。

45番
「予防管理中心型」は、問題が起こった原因を探って対処するので
病気やトラブルが再発しにくくなり、悪化や歯を失うリスクを
抑えます。しかし、問題の原因に加え、表面化していない問題にも
取り組むので、処置内容が多くなり、時間と費用がかかることに
なります。

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以上引用終わりです。

なんだか二種類のタイプの歯医者さんがあるようですが

実際にはほとんどが「治療中心型」です。

と言うのも、歯科の健康保険制度そのものが「治療中心」だからです。

別の言い方をすれば、「予防管理」は疾病保険の範疇に入らないのです。

当然、日本人のほとんどは「治療中心型」の歯科医院にしか通院

したことが無いので「治療」しか体験していないはずです。

ホームページで「予防が大事です」とうたっているところも

やはり仕事は「削る、抜く」しかしていませんし

「そうではない」という歯科医院は保険制度のグレーの部分を

歩んでいる他ならないはずです。かの有名な熊谷先生のところも

当然、1時間1万5千円の自費診療です。

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余談ですが昨日いらしたある患者さんから伺ったところ、その患者さんの

知人が保険診療の歯科医院でクリーニングを受けて、後日

健康保険から医療費の明細が届き、一部負担金と併せて

2万円ほど歯科医院に支払いがあったとのことを聞いたとのことです。

真偽と内容は確かめようがありませんが、これも今の日本の歯科医療の

縮図かもしれません。

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話は元に戻して、この二つのパターン、やはり「予防管理型」が絶対に

有るべき姿です。

 

暮らしの手帖だから、やんわりと「どうぞ、よく考えて自分にあった

歯科医院を選んでね」というスタンスですが、私に言わせれば

「治療中心型」とは皆さんの課題はなるべく後伸ばしにして

少しずつお金と健康をむしり取る「歯科医中心型」他ならないと

考えます。(こういう過激な表現は使いたくはないのですが)

 

課題を先延ばして結局老後に、入れ歯やインプラントになり

老後に必要なお金も、健康も失う選択肢とならないことを

危惧してます。なんだか日本の社会保障そのものと同じくしている

気がしてなりません。