実は、自分で歯を抜いたことがあります。

「歯医者さんなんだから歯はいいんでしょ」

と皆さんは思われるかもしれませんが

生まれた時から歯医者さんだったわけではありません。

右下の奥歯は1本歯がありません

その理由は、「歯が割れた」です。

割れた歯だけは、すくうことはほぼ出来ません。

下に実例の写真をお見せいたします。

割れる前の写真です。根の周りに黒い影があるので当初は根が膿んでいるのかと

思っていました。

 

数年して、再び来院されたときのレントゲンです。

割れているのがおわかりでしょうか?

わかり難いので根の部分をマーキングしてみますね

これが割れる前

こちらが、割れた後・・・

縦に二つに裂けているのが分かると思います。

こうなったら、残念ながら歯を抜くしかありません。

こちらもご参考に

しかし、どうしてこうなったのでしょうか?

そこで、私の仮説でご説明いたします。

二つの大きな理由があると考えています。

一つ目「歯軋り」「噛みしめ」等の強大な力です

健康な歯は歯の頭の部分から根に繋がっていて、

根は骨に支えられています。

歯の中には神経の入っている空間があり

むし歯などにより神経を取り除き差し歯にします。

差し歯の構造はその神経が入っていた空間に柱を立てて

その柱に人工の歯をかぶせます。

(ですので、正確にいうといわゆる「さし歯」とはいいません)

そこに『力」が加わると・・・・

歯の根の部分が押し広がれるような方向に力が働きます。

この力が繰り返し、何年も続けられることによって

「疲労骨折」のような結果になると考えます。

ということは

若い内に神経を取るような処置をすると後で後悔する

ということに繋がるのです。

多くの方は、歯が割れてから「大変だ」と言われるのですが

その何年も前から

時限爆弾

のように運命は仕掛けられているのです。

そこで、治療費がかかり嘆くのであれば

やはり、日々の予防が大事と思うのです。

(適切で控えめな処置も大事ですが)

 歯が割れる仮説2に行きましょう!

それは「アイスとコーヒー」です。

なんのこっちゃとお思いでしょうが・・・

最初に熱いコーヒーを飲むと

歯が熱せられて、若干ですが膨張するのです。

逆に、アイスを食べると冷やされて・・・

収縮すのです。

これは極端な例ですが、日常の温度差の繰り返しは

避けられないです。

この繰り返しによって、根に力が懸かるという仮説です。

それは、あたかも、高山で岩の隙間に入り込んだ水分が

繰り返し凍って、最終的には岩を砕くように・・・

ですので当院では下の図の様に工夫しております。

 目に見えない部分が大事なのです。